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腐蝕一筋の鈴木さん温和な雰囲気とは違い仕事には一切の妥協を許さない根っからの職人。そんな鈴木さんも今の技術を身に付けるまでには長年の試行錯誤を繰り返した厳しい時代があった。今では腐蝕作業だけでなくサカヱ彫巧社の製造・製品仕上げの全てを任されている。豊富な経験に裏打ちされた確かな技術と厳しい目がサカヱ彫巧社の「信頼」を支えている。


熟練職人と呼ばれるまでには長い時間が必要で日々作業の中で試行錯誤しながら経験を積んでいく。毎日同じ作業を繰り返しながらも「どうしてそうなるのか」「どうして上手くいかないのか」と常に考え作業をしていく。職人の基本は物事に対する探究心だと思う。ただ年数を重ねるだけでは決して技術は向上しない。

技術と経験を積み重ねて「熟練職人」と呼ばれても数回に一回は納得いかない製品が出来上がることがある。特に「腐蝕」は微妙な条件(その日の材質、天候、湿度など)によって腐蝕液の配合や腐蝕時間など微妙に変えないと製品の出来具合の良し悪しが決まってしまう。だから「これでいい」という基準は無い。だから日々勉強、生涯勉強。これはものづくり職人の勤め。

どんな仕事でも「プロ」と呼ばれる人たちは普段の健康管理を怠らない。常にベストな状態で仕事をし、良い商品を造る事が僕の仕事だと思っている。あたりまえだが健康があっての仕事。僕も若い頃は無茶をやってた時期があった。若い頃は体力もあったから少々無理をしても仕事が出来た。でもあるとき体調を壊し、どうにも仕事にならない事があって周りの皆に迷惑をかけたことがあった。それ以来「健康あっての仕事!」と心に決めて健康管理には特に注意している。毎朝、うちの犬を連れて散歩をするのが日課になっている。それと製品チェックとか細かい部分を見る事が多いから、休憩時間には軽い睡眠を取るようにしてる。でも休憩時間にもっと若手と話をする時間を取る事が今の僕の課題。

物造りの職人は直接お客様と接する事は殆ど無い。たまに担当勝者の営業マンと話をするくらいだ。でも「表札職人」を立ち上げてから「お客様の声」を見るようになり今ではそれが仕事の励みになっている。これはすごく良いことだと思う。「良い物を造って喜ばれる」これが物造り職人にとって最高の喜びである。社長がプリントアウトしてくるメールやお客様のお手紙を読んでいると嬉しくなってくる。若手にもすごく励みになっていて物を造る喜びを感じている。物造り職人で良かったと感謝している。






山本さんはサカヱ彫巧社の中で最古参、無口で黙々と仕事をこなす昔気質の熟練職人です。現在は機械彫刻、肉付・肉盛彫刻、など彫刻関連の仕事を全て一人でこなしています。さらに山本さんのすごい所は、他のあらゆる作業に精通している事です。まさに何でもこなせるオールラウンドプレイヤー。


15歳からこの業界に入っていたから一通りの事は出来るよ。若い頃に働いていた工場が親方と数人の職人しかいない小さな町工場で何でもやらせてくれた。当時は手に職があれば何処でも食べていけたそんな時代だった。僕も気が付けばここで一番古い職人となって今では若手職人を育成する立場。技術と経験だけでなく人生も含めて「人」を育てて行きたいと思っている。

僕は無口で昔気質の職人だから若手からは怖いというイメージで見られている。でもそれで良いと思っている。昔みたいに「技術は盗め」とは言わないが「仕事の厳しさ」「職人の世界」を伝えられれば良いと思う。好きな言葉に「温故知新」がある。「仕事の厳しさ」「職人の世界」は若手に伝えなければならない「古き良き物」だと信じている。
 

「好きだから」という理由で物造りの世界に入る人は少なくない。趣味なら良いしかし職人として、またプロしては「好き」だけでは務まらない。好きだから集中して技術も向上するのは当たり前だが仕事だから納期があるし、スピードと高い質が要求される。また、自分の意と反した要求が来る事もよくある。それでも相手が納得するベストな商品を造る事が物造り職人だ。よく「趣味と実益を兼ねて仕事をしている」という人がいるが僕には理解出来ない。確かに彫刻作業をしている時は充実してるけど、プロ意識を持って仕事をしてるから自分の手がけた作業には絶対の自信がある。


今のサカヱ彫巧社の若手はよくやってると思う。黙々と作業を続ける中で何か自分だけの技術を身に付ける事が出来たらもう一人前の職人になれる。後はたくさんの経験を積めば自然と技術に深みが出てくるようになる。 物を造ると言う事は自分への挑戦だと思う。自分に妥協せず突き詰めた所に理想の物造りの姿がある。今の若手に伝えたいのは「妥協しない事」「諦めない事」。常に自分の理想を思い浮かべて仕事に取り組んで欲しい。





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